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フェライトとは

フェライトとはどのような物質なのか

フェライトは、昭和5年に東京工業大学の博士が研究開発した日本生まれ・日本育ちの磁性体(電子素材)です。主成分の酸化鉄にコバルトやニッケル、マンガンなどを混合し、1,000~1,400度の高温で焼き固めて製造するため、セラミックの仲間の1つとして分類されます。

フェライトは磁力の強い磁性材料で、電気抵抗の値が高いことから、そのほかの金属製の磁性材料に比べて電気を通しにくいという性質を持っています。また、サビや薬品に強いのも特徴です。フェライトは東京工業大学の博士から特許を譲り受けた東京電気化学工業株式会社(現・TDK株式会社)によって工業化され、エレクトロニクス産業に欠かせない素材として幅広い用途で使用されています。

フェライトと電波暗室の関係

さまざまな用途で使用されるフェライトですが、その1つが電波吸収体です。フェライト電波吸収体は1960年代に研究開発され、TV放送や各種無線・レーダーなどの通信分野、電気電子機器のノイズ対策・ノイズ評価を行うEMC分野で実用化されています。EMC試験用電波暗室にはフェライト電波吸収体と誘導性吸収材料を組み合わせたものが使用されており、広帯域での高精度な測定に対応しているEMC試験用電波暗室において欠かせない存在です。

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フェライトの種類

ハードフェライト(硬磁性材料)

磁気を一度帯びると外部磁界がなくても磁気を維持でき、永久磁石になるフェライトです。小型モーターやスピーカー、ヘッドフォン、カセットテープ、フロッピーディスクなどに用いられています。

ソフトフェライト(軟磁性材料)

外部磁界(磁石)によって磁化するのはハードフェライトと同様ですが、ソフトフェライトは外部磁界を取り去ると磁気を失い、元の状態に戻るのが特徴です。軟磁性材料とも呼ばれますが、これは外部磁界の変化に追随する柔軟性からきており、材質が軟らかいという意味ではありません。ソフトフェライトはテレビやパソコン、ゲーム機、自動車、電子レンジ、掃除機、冷蔵庫などに用いられています。

フェライトの製造方法(乾式法)

フェライトの製造方法には、大きく分けて「乾式法」「湿式法」「共沈法」の3種類があります。日本で一般的に採用されているのは、量産しやすい乾式法です。乾式法では、以下のような工程でフェライトが製造されています。

電波暗室メーカーの選び方と
オススメ企業3選

電波暗室を導入するにあたって最初に考えるべきなのは、購入にするかレンタルにするかということ。電波暗室の施工には5,000万~10億円という規模の予算が必要となります。購入となった場合は、計測システムを持っているかどうかで選ぶべき企業が変わってくる点にも注意が必要です。

自社の状況別に3つの企業を紹介していますので、ぜひ参考になさってください。

電波暗室を初めて導入する/
計測システムから
刷新するなら

マイクロウェーブ
ファクトリー株式会社
マイクロウェーブ ファクトリー株式会社公式HP

引用元:マイクロウェーブ ファクトリー公式HP
(https://www.mwf.co.jp/)

電波暗室だけではなく、電波暗室に必須の"計測システム"もまとめて提供してくれる会社。

調整やコミュニケーションの手間が減少し、導入期間の短縮が期待できます。

公式HPで
電波暗室の
特徴を見る

マイクロウェーブ
ファクトリーの
特徴をもっと見る

今ある電波暗室を
増室したいなら

TDK株式会社
TDK株式会社公式HP

引用元:TDK公式HP
(https://www.tdk.com/ja/index.html)

電波暗室だけを増設したい会社におすすめ。

既存のメーカーの製品保守やメンテナンスにも対応をしており、施工実績も豊富なメーカー(※)です。

公式HPで
電波暗室の
特徴を見る

TDKの
特徴をもっと見る

購入するほどの
費用対効果を
見込めない
なら

テュフラインランド
ジャパン株式会社
テュフラインランドジャパン株式会社公式HP

引用元:テュフラインランドジャパン公式HP
(https://www.tuv.com/japan/jp/)

大規模な生産をしない場合や、予算確保が困難な場合はレンタルがおすすめ。

EMC試験だけでなく、アンテナ計測など多種多様な試験を行える体制を整えております。

公式HPで
電波暗室の
特徴を見る

テュフライン
ランドジャパンの
特徴をもっと見る

【選定条件】Google検索「電波暗室」で表示された上位22社を調査(2022年3月11日時点)。それぞれ以下の条件で選定。
・電波暗室を初めて導入するなら:唯一、グループ会社内で電波暗室と計測システムの両方を提供している企業
・今ある電波暗室を増室したいなら:既存の電波暗室の補修やメンテナンスに対応しており、なおかつ公式HPに掲載されている電波暗室の施工実績数が一番多い企業(累計1,200基)(2022年3月調査時点)
・購入するほどの費用帯効果を見込めないなら:電波暗室のレンタルを行っている企業の中で、唯一アンテナ計測、EMCの両方のレンタルが可能