マイクロ波とは、波長が1~10cm、周波数でいえば300MHz~300GHzの電磁波です。電磁波は波長(周波数)により、波長が長いものから順に超長波、長波、中波、短波、超短波、極超短波、マイクロ波、ミリ波、サブミリ波と分類されています。マイクロ波はそれら分類のうちの一つです。
マイクロ波には「直進性が高いため、特定の方向に向けて発射できる」「伝送できる情報量が大きい」という特徴があります。
マイクロ波は、以下のものに利用されています。
マイクロ波は、電子レンジのマイクロ波加熱に利用されています。マイクロ波加熱について、ここで詳しく見てみましょう。
従来の加熱方法が、外部の熱源で加熱対象を表面から熱していくものであったのに対して、マイクロ波加熱は誘電加熱の原理を用いて、加熱対象自体を発熱体とする内部加熱方式が採用されています。
誘電加熱とは、プラスとマイナスが高速で入れ替わるマイクロ波の電界で加熱対象の分子を振動させ、分子同士のぶつかり合いにより摩擦熱を発生させるものです。電子レンジは2.45GHzのマイクロ波を使用するため、電界は1秒間に24億5,000万回、プラスとマイナスが入れ替わります。加熱対象の分子もそれに合わせて激しく振動するため、摩擦熱が発生するのです。
マイクロ波加熱には以下のメリットがあります。
マイクロ波加熱は加熱対象の全体を均一に加熱できます。マイクロ波加熱では、マイクロ波が照射された部分が同時に加熱されるからです。それにより、加熱ムラや焦げ・乾燥などが発生しにくくなっています。
マイクロ波加熱は温度調節が容易です。マイクロ波を照射すればすぐに加熱が開始され、照射を停止すればそれ以上加熱されません。
マイクロ波加熱では、対象を選択的に加熱可能です。たとえば、電子レンジ用の容器は、マイクロ波の吸収率が小さい素材を使っているため、電子レンジに入れても加熱されず、中身だけが加熱されます。
ミリ波とは、波長が1~10mm、周波数でいえば30~300GHzの電磁波です。マイクロ波と同様に直進性が強いことが特徴の一つとなりますが、マイクロ波との違いもあります。
ミリ波のマイクロ波との違いは第一に、物体に遮られる性質が強くなることです。低い周波数の電磁波は、金属以外の物質にはさほど影響を受けません。それに対してミリ波は、金属以外の物質にも影響されます。第2に、分子の振動による影響を受けることです。そのため、水や酸素があると吸収されてしまいます。
物体に遮られやすく、空気や水に吸収されるため、ミリ波は遠くまでは飛ばすことが困難です。これは通信での利用には不利なように思えますが、必ずしもそうとはいえません。遠くまで飛ばないということは、遠くの電波の混信を受けないことを意味します。そのため、ミリ波は短距離の通信には、他の電磁波より適しているのです。
簡易無線、無線LAN、広域帯無線アクセスシステム、列車無線、通信衛星、放送
車載レーダー、位置認識システム、地球環境計測、電波天文
電圧標準、周波数標準、準電子スピン共鳴
加熱、医療応用、核融合、エネルギー輸送
ミリ波はレーダーに利用されています。ミリ波はマイクロ波と比べて、さらに強い直進性があり、また多くの情報を伝送できるため、レーダーとしての利用に向いているのです。ただし、前述のとおり遠くまでは飛ばないため、車載レーダーなど比較的近距離のレーダーとして利用されています。
ミリ波レーダーの原理は以下のとおりです。
ミリ波レーダーは波長が短いため、対象物の検知精度が高くなります。0.1mmの動きを検出可能です。
マイクロ波に比べれば空気や水に吸収され、遠くまで飛ばせないミリ波ですが、赤外線や超音波に比べれば直進性に優れているため、悪環境下で使用できます。
ミリ波は周波数が高いため、大量の情報を短時間で送ることが可能です。
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