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電波吸収体の種類

電波吸収体の素材について

使用される材料として代表的なものは、誘電損失材料としては炭素材料(カーボンブラック、グラファイト等)、磁性損失材料としてはスピネルフェライト(酸化鉄)や金属磁性材料(鉄系合金)があります。

炭素材料や金属磁性材料は電気伝導性が良いので、樹脂やゴムなどの絶縁体中に分散させる形で複合化して使用されます。吸収したい電磁波の周波数範囲やどの程度吸収するか、設置場所の制限等によって用いられる物質や使用形態が決まります。

例えば、電波暗室での壁材のように広い周波数範囲に対応する必要がある用途には比較的大きな設置空間が必要となり、材料としては炭素系の誘電損失材料が主に使用されます。電波吸収体で吸収された電磁波のエネルギーは、総じて熱になります。電波吸収体の素材は、電磁波を熱に変換する機構によって、導電性材料・誘電性材料・磁性材料の三種に分けられます。

導電性材料

電磁波の電場により内部に電流が流れることで、ジュール熱に変換されます。導電性があることが重要ですが、金属単体のように導電率が高すぎると電磁波は表面で反射されてしまうため、炭素材料や金属を繊維状にしたものが用いられます。金属繊維は樹脂に練り込んだり、布状にして使用されます。

誘電損失材料

直流電流が流れることはありませんが、高周波では誘電損失により熱が生じます。通常、誘電体では外部電場の位相に応じた分極が起こりますが、周波数が高いところでは分極が電場の位相に追従できなくなり、その結果電磁波のエネルギーが誘電体内の分子の熱に変換されます。これは、電子レンジでマイクロ波が水を加熱するのと同じ現象です。素材の誘電損失が大きいほど吸収効果が高く、カーボン粒子をウレタンやゴムに混合したものが用いられます。

磁性材料

電磁波の磁場が材料中の原子やイオンの磁気モーメントに作用することで電磁波の吸収が起こります。素材としては主にフェライト等が用いられ、特定の周波数に対して共鳴を起こし強い吸収が得られます。これらの材料を、さらに複数組み合わせて作製される場合もあります。

ピラミッド型電波吸収体

ピラミッド型はその名の通りピラミッドの形状をした電波吸収体です。高さによって電波吸収できる周波数帯が異なるので、広帯域に対応しています。ここでは、形状による特徴や使用素材、対応業界や対応周波数、メンテナンスに関する知識を紹介しています。

シート型電波吸収体

シート型はフラットな薄型の電波吸収体です。薄くて扱いやすい特徴があります。以下に、使用素材や用途、対応周波数帯や寿命について取りあげているので、扱いやすさを重視していたり、着脱可能なものを検討していたりする企業は参考にしてみてください。

ウェッジ型電波吸収体

ウェッジ型は、くさび型の形状をしている電波吸収体です。ピラミッド型と似ているものの、平行入射の電波吸収に使われるため、用途が異なるので注意が必要となります。ここでは、使用素材から用途、対応周波数やメンテナンス方法など気になる情報をまとめました。

歩行路型電波吸収体

歩行路型は、歩くことを想定してつくられた電波吸収体のことです。踏まれるので、一般的な電波吸収体と比べて強化されているのが特徴です。歩行路型が必要な理由や使用素材、対応業界など基礎情報を網羅しました。以下から導入メリットを確認してみてください。

液体型電波吸収体

液体型は物体表面に塗布したり、充填したり、中型成形したりして使用されている電波吸収体のことです。物体に対して電波吸収性能を付与でき、起伏のある面に対しても利用できるのが特徴です。以下にさらに詳しく、対応業界や周波数帯等の情報をまとめました。

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