電波吸収体は、3000GHz以下の電磁波(電波)の反射や透過を抑える物を指します。
3000GHz以下の電磁波というと、ラジオ・テレビ・携帯電話・家電・無線LAN・気象レーダー・自動安全走行システムなどの電磁波が該当します。活用できる範囲は広く、以下に代表的な用途を解説します。
製品や部品が発する電磁波によって、他の部品や電子機器が影響を受けないように、ノイズを発生させないためのEMI対策が必要です。
EMI対策としては、グランドによる基準電位の安定化や、フィルタの組み込み、金属導体で覆うなどの方法が挙げられます。電波吸収体をEMI対策として取り入れられるケースもあります。
ノイズ以外の必要な電磁波まで抑制してしまうと、本来の役割を果たせないので、不要なノイズの選定には注意しなければなりません。
電波暗室とは、電波吸収体を床に敷設したり、壁や天井に貼り付けたりして、外部の電磁波の影響を受けないようにした部屋のことです。
外部に電磁波を漏らさず、内部で電磁波が反射しないように設計されているため、無線機器の電磁波の測定、電子機器のノイズ試験などに活用されます。ノイズや反射を抑制することで、測定の精度を上げます。
特定の素材や技術を使用して、装置や空間に電波が浸透・干渉しないように対策を講じることを指します。
電磁波発生源と保護領域の間、もしくは電磁波発生源と装置の間に障壁をつくります。障壁は電波を反射あるいは吸収する方法でつくられますが、吸収する方法を採用したのが電波吸収体です。
軍事用途のレーダー施設などでは、サイドローブを吸収させるために、周囲の防護壁に電波吸収体を設置しています。人体への影響などを考慮して、安全性を高める目的で活用されます。
また、ステルス機などにも電波吸収体が採用されており、電波反射方向をコントロールして何もない空間であると認識されるための技術としても活用されています。
医療機器の中には、電磁波により誤作動を起こすものもあります。医療機関に導入されているMRI(磁気共鳴画像法)は、電波を人体にあてて内部の断面を画像化する装置で、外部の電磁波による影響を受けるため対策が必要です。医療機器の電磁波対策のために、各医療機関に電波吸収体を敷設・貼付けたシールドルームが導入されています。
なおこのサイトでは、おすすめの電波吸収体メーカーを用途別に紹介しています。特徴や製品例なども掲載しているので、電波吸収体を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
6G領域の通信端末の評価や、軍事産業でも使える難燃性製品など、新たな製品規格の研究開発に精通。
屋外や真空環境での使用など、特殊な用途での電波吸収体の試作や制作についても相談できます。
また、電波暗室の建設についてもノウハウも豊富です。
電磁波環境トータルソリューションカンパニーとして、暗室用の電波吸収体のほか、磁性シート、電磁波ノイズ抑制シート、シールド材の取り扱いも豊富です。
磁性シートは、高い磁気シールド効果 (µ'=50)を維持しつつ、磁束の減衰を極力無くす構造を実現しています。
EMC試験に関する高い専門性とノウハウから、適切な製品選びや試験環境構築の相談ができます。
電波暗室業界のパイオニア的存在として豊富な施工実績を誇り、先進的な技術を取り入れたEMC試験所も開設。
2024/3/28時点「電波吸収体 メーカー」で調べた際、最終ページまでの検索結果上の公式HPで電波吸収体の取り扱いを確認できたメーカー13社13社を調査。そのうち、用途別
に複数シリーズの電波吸収体を製造・販売している企業6社から以下の条件により3社を選定。
・E&Cエンジニアリング:6G帯にも対応できる電波吸収体の自社製造を行っている
・新日本電波吸収体:電磁波ノイズ抑制製品について最も多くのラインナップがある
・TDK:国際基準を満たしたEMC試験所を開設し、車載機器のEMC測定の試験所認定を取得している