建設業界においても、例外なくICT化が進行しており、電子化された建設機器や、建設ソリューションが多数開発されている。同時に、そういった建設機器の電磁波が他の電子機器へ悪影響を与えないか、または影響を受けてしまわないかという点について、検証の必要性に迫られている。では実際にこの業界で電波暗室がどのように使われているかを見ていく。
スーパーゼネコンの一つである清水建設では、建物に関係する電波環境の実験を行う施設「サイバー実験棟(電波暗室)」を所有しています。同実験棟はなんと1998年に竣工しており、無線通信技術を基盤とする情報化社会が到来することを見込んで設置されたもの。
電磁波によるトラブルを未然に防ぎ、機器の誤作動や故障が起きにくい機器の需要は、今まで以上に高まっていると言えるでしょう。同実験棟では、電磁波に関するさまざまな実験を行っているのだという。
実際に行われている実験内容としては以下の通り。
日立建機株式会社では、建設機械における電磁波の影響を試験する「車体EMC試験用電波暗室」を2021年8月末に竣工。建設機械にも対応可能な電波暗室としては、規模が大きいため、注目が集まっている。
電波暗室の使用方法の一つである、EMC試験(電子機械と他の電子機器が相互に電磁波の影響を与えるかどうかを確認する試験)。
建設業界においてもEMC試験の需要は高まっており、こういった電波暗室の活用により、建設機械の自動化・自律化のほか、安全装置の搭載やICT施工への対応といった、開発の加速化が期待されている。
電波暗室を導入するにあたって最初に考えるべきなのは、購入にするかレンタルにするかということ。電波暗室の施工には5,000万~10億円という規模の予算が必要となります。購入となった場合は、計測システムを持っているかどうかで選ぶべき企業が変わってくる点にも注意が必要です。
自社の状況別に3つの企業を紹介していますので、ぜひ参考になさってください。
電波暗室だけではなく、電波暗室に必須の"計測システム"もまとめて提供してくれる会社。
調整やコミュニケーションの手間が減少し、導入期間の短縮が期待できます。
電波暗室だけを増設したい会社におすすめ。
既存のメーカーの製品保守やメンテナンスにも対応をしており、施工実績も豊富なメーカー(※)です。
大規模な生産をしない場合や、予算確保が困難な場合はレンタルがおすすめ。
EMC試験だけでなく、アンテナ計測など多種多様な試験を行える体制を整えております。
【選定条件】Google検索「電波暗室」で表示された上位22社を調査(2022年3月11日時点)。それぞれ以下の条件で選定。
・電波暗室を初めて導入するなら:唯一、グループ会社内で電波暗室と計測システムの両方を提供している企業
・今ある電波暗室を増室したいなら:既存の電波暗室の補修やメンテナンスに対応しており、なおかつ公式HPに掲載されている電波暗室の施工実績数が一番多い企業(累計1,200基)(2022年3月調査時点)
・購入するほどの費用帯効果を見込めないなら:電波暗室のレンタルを行っている企業の中で、唯一アンテナ計測、EMCの両方のレンタルが可能