UGV(無人走行車両)/AGV(無人搬送車)といった市場においても、その製品開発に電波暗室が利用されています。ではどういった用途で、電波の試験が必要になるのでしょうか。
物流業界などにおいて、倉庫内で活躍するAGV。実際の施設内で導入されているケースもあり、省人化や業務効率化といった観点で非常に注目されています。
自律運転を行う以上は、機器にさまざまなセンサーが設置されており、常に周囲の物の位置や距離などを計測し続けることが求めらます。
倉庫内での自律走行で求められるのは、周囲との相対的な位置を検知するということ。そのためには、絶対位置を定義したポイントから、どちらの方向にどれだけ移動したかを検出し、移動体の位置を特定しする必要があります。
この移動量を検出するために必要なのは、加速度センサーやジャイロセンサー、車輪の回転量を伝達する電気信号。しかし問題なのは、既に現場で稼働している電気信号発信する機器を設置することは非常に困難です。そこで着目されたのがミリ波レーダーです。
ミリ波レーダーは、自動車の衝突防止といった安全性の確保などに利用されているもの。その原理を利用することで、移動体から対地速度を検出することができます。フォークリフトなどの移動体に、ミリ波レーダーを設置。地面でレーダー光を反射させることで、位置や移動距離を計測し、自律運転を可能にするのです。
DMG森精機株式会社とNTTコミュニケーションズ株式会社は、ローカル5Gを活用し、無人搬送車に人協働ロボットを搭載した自律走行型ロボット(AGV)の遠隔操作などを行う実験を2020年5月21日より開始。
電波暗室を導入するにあたって最初に考えるべきなのは、購入にするかレンタルにするかということ。電波暗室の施工には5,000万~10億円という規模の予算が必要となります。購入となった場合は、計測システムを持っているかどうかで選ぶべき企業が変わってくる点にも注意が必要です。
自社の状況別に3つの企業を紹介していますので、ぜひ参考になさってください。
電波暗室だけではなく、電波暗室に必須の"計測システム"もまとめて提供してくれる会社。
調整やコミュニケーションの手間が減少し、導入期間の短縮が期待できます。
電波暗室だけを増設したい会社におすすめ。
既存のメーカーの製品保守やメンテナンスにも対応をしており、施工実績も豊富なメーカー(※)です。
大規模な生産をしない場合や、予算確保が困難な場合はレンタルがおすすめ。
EMC試験だけでなく、アンテナ計測など多種多様な試験を行える体制を整えております。
【選定条件】Google検索「電波暗室」で表示された上位22社を調査(2022年3月11日時点)。それぞれ以下の条件で選定。
・電波暗室を初めて導入するなら:唯一、グループ会社内で電波暗室と計測システムの両方を提供している企業
・今ある電波暗室を増室したいなら:既存の電波暗室の補修やメンテナンスに対応しており、なおかつ公式HPに掲載されている電波暗室の施工実績数が一番多い企業(累計1,200基)(2022年3月調査時点)
・購入するほどの費用帯効果を見込めないなら:電波暗室のレンタルを行っている企業の中で、唯一アンテナ計測、EMCの両方のレンタルが可能