電波暗室は、検査をする対象物によって簡易的なものから大掛かりな設備を要するものなど、色々な大きさや機能を持ったものがあります。そこで、ここでは電波暗室を導入する際に必要となる費用について調べてみました。一般的な電波暗室の価格相場をはじめ、電波暗室のレンタル事情などをまとめてみましたので、参考にしてみてください。
電波暗室は簡単な測定が行える電磁波シールドであれば、数十万円くらいで購入することができます。しかし、電波を遮蔽したい周波数帯や試験の規格(国際認証基準に対応したものなど)によって、搭載されている機能や計測設備などが増えるので、電波暗室本体の規模が大きくなり価格帯も5,000万~10億円単位と高価になってきます。
また、既存の建物内に入るサイズか、新しく建設する必要があるのかによっても価格帯は大きく変わります。電波暗室の規模によっては、建物の構造にも手を加える大掛かりな工事などが必要となるため、測定を行う対象物に合わせてどれくらいの規模の電波暗室になるのか、よく確認しておくことが大切です。
費用や設置スペースの問題で導入が難しかったり、使用頻度が少ない場合などはレンタルがおすすめ。電波暗室を有している企業がEMC試験センターといった施設を開設し、時間単位や日数単位で貸し出しています。施設ごとに決められた使用料金を支払うことで、必要な設備一式が借りられるシステムになっています。
電波暗室のレンタルは、全国にある工業技術センターや電磁波関連の企業から予約制にて借りることが可能。施設によっては、専門スタッフが測定のサポートやEMC対策のコンサルティングなどを提供していたり、測定の代行などにも対応しているところがあるので、電波暗室をレンタルするということも一つの方法です。
電波暗室を購入する方法以外で簡易的な電波無響環境を作る方法として、電波吸収体をバラで購入して自作する方法があります。電波吸収体には、様々な材料・形状などがあり、作りたい環境に合わせて選ぶことができます。簡易な電波無響環境で試したうえで、電波暗室を購入することも可能です。いきなり購入するとなるとハードルが高いですが、電波吸収体を使用した場合、比較的手軽に、電波無響環境を試すことができます。
なおこのサイトでは、電波吸収体についての情報をまとめて紹介しています。電波吸収体の詳細解説や、メーカー情報、知っておきたい基礎知識について解説していますので、購入を検討している方は参考になるでしょう。また、用途別におすすめの電波吸収体メーカーについても製品例とともに紹介しています。電波吸収体をバラで購入したい方は、ぜひ確認してみてください。
電波暗室を導入するにあたって最初に考えるべきなのは、購入にするかレンタルにするかということ。電波暗室の施工には5,000万~10億円という規模の予算が必要となります。購入となった場合は、計測システムを持っているかどうかで選ぶべき企業が変わってくる点にも注意が必要です。
自社の状況別に3つの企業を紹介していますので、ぜひ参考になさってください。
電波暗室だけではなく、電波暗室に必須の"計測システム"もまとめて提供してくれる会社。
調整やコミュニケーションの手間が減少し、導入期間の短縮が期待できます。
電波暗室だけを増設したい会社におすすめ。
既存のメーカーの製品保守やメンテナンスにも対応をしており、施工実績も豊富なメーカー(※)です。
大規模な生産をしない場合や、予算確保が困難な場合はレンタルがおすすめ。
EMC試験だけでなく、アンテナ計測など多種多様な試験を行える体制を整えております。
【選定条件】Google検索「電波暗室」で表示された上位22社を調査(2022年3月11日時点)。それぞれ以下の条件で選定。
・電波暗室を初めて導入するなら:唯一、グループ会社内で電波暗室と計測システムの両方を提供している企業
・今ある電波暗室を増室したいなら:既存の電波暗室の補修やメンテナンスに対応しており、なおかつ公式HPに掲載されている電波暗室の施工実績数が一番多い企業(累計1,200基)(2022年3月調査時点)
・購入するほどの費用帯効果を見込めないなら:電波暗室のレンタルを行っている企業の中で、唯一アンテナ計測、EMCの両方のレンタルが可能