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電波暗室の移設

電波暗室は移設できるのか

大型で、施工にも時間がかかる電波暗室を「移設できるのか?」と考えている方もいると思います。電波暗室は移設でき、対応している会社もあります。まずは、保有する電波暗室のメーカーに聞いてみるのがよいでしょう。しかし、仮にその業者が移設に対応できない場合も、メーカーを問わず対応できる会社は複数あります。

電波暗室を移設する流れ

電波暗室を移設する流れは、まず事前測定を行って現状の性能を確認します。次に、解体工事を行って搬出、および移設先へ運搬して搬入し、再組み立て工事を行います。最後に事後測定を行い、移設後の性能を確認して終了です。

電波暗室の移設に対応している会社

有限会社シールドテック工業

有限会社シールドテック工業は、電波暗室やシールドルーム、シールドドアや電波吸収体などの製造から設置やその後のメンテナンスまで、一貫したサービス体制を整えた会社です。電波暗室の移設は自社製だけでなく、他社製、あるいはメーカーの分からないものにも対応します。

技研興業株式会社

技研興業株式会社は、医療・研究・放送施設などの特殊建築へ発展・展開する建築・土木会社です。EMC・自由空間用・3m法対策用の各種電波暗室の製造・設置、既存電波暗室の移設・改修・リニューアルなどを行います。

移設しやすい電波暗室

電波暗室の移設が将来的に想定される場合には、軽量で移設しやすい簡易電波暗室の選択もおすすめです。簡易電波暗室とは、CISPRやEN、FCC、VCCIなどの各国の法制規格に準拠していない電波暗室のこと。正式なEMC試験を行うためには正規の電波暗室が必要ですが、そのまえに対象機器の設計・改善・検討を行うのに適しています。特に、対象機器のノイズを軽減するため試行錯誤が必要で、多大な時間を要するEMI対策は、簡易電波暗室で十分可能です。

電波吸収体で簡易な電波無響環境を作る方法もある

電波暗室は移設できますが、解体工事や搬入など手間がかからないとは言いづらいです。移設が難しい時は、電波吸収体を単体で複数購入し、簡易な電波無響環境を作る方法も有効です。電波吸収体なら、細かな使用や様々な素材があるため、望んでいる電波無響環境を構築しやすいでしょう。持ち運びもしやすく、移設の手間を軽減できます。

なおこのサイトでは、電波吸収体の詳細解説や、おすすめのメーカー、知っておきたい基礎知識について紹介しています。電波吸収体メーカーについても製品例とともに用途別に紹介しています。電波吸収体を活用し、簡易な電波無響環境の構築を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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簡易電波暗室を扱っている会社

マイクロニクス株式会社

マイクロニクス株式会社の簡易電波暗室

5G OTA(Over The Air)試験、電波法対策、EMC試験などに活用できる、電磁波シールドテントを利用した簡易電波暗室です。大規模な工事は必要なく、設置は2~3日で完了します。外形寸法(W×H×D)が2m×2m×2mから3m×2m×5mまで、8種類をラインナップしています。

マイクロニクス株式会社はどのような会社か

神奈川県相模原市に本社があるマイクロニクス株式会社は、昭和60年の創業。電子計測器や情報通信機器、環境関連機器、計測システムの製造・販売、および電波測定や保守・点検・修理などのサービス事業をしています。グッドデザイン産業機械部門大賞をはじめとする、多数の受賞歴もあります。

東京計器アビエーション株式会社

東京計器アビエーション株式会社の簡易電波暗室

電磁波シールドテントを利用した簡易電波暗室で、対応周波数は900MHz~。5G関連機器の研究・開発に最適です。軽量・丈夫な素材を使用し、組み立て・解体・移動を購入者が自分で行えます。さまざまなオプションの追加により、自社での使用目的に最適化することも可能です。

東京計器アビエーション株式会社はどのような会社か

埼玉県飯能市に本社をもつ東京計器アビエーション株式会社は、昭和48年の創業。航空機関連機器、通信電子機器、EMC計測室などの製造・販売と、EMC環境計測とコンサルティングなどをしています。「環境負荷の低減と人権の尊重」をとおして、持続可能な社会の実現にも取り組んでいます。

株式会社 新日本電波吸収体

株式会社 新日本電波吸収体の簡易電波暗室

軽量のため組み立てや移設が手軽にできる簡易電波暗室です。高性能な電磁波シールド布のカバーにより、100MHz~110GHzで-40dB以上のシールド特性があります。内部に取り付けられた電波吸収体が反射電波を吸収。0.8m×1.6m×H0.8の大きさの卓上タイプもラインナップされています。

株式会社 新日本電波吸収体はどのような会社か

東京都台東区に本社をもつ株式会社「新日本電波吸収体」は、2006年の創業。慶應義塾大学や武蔵工業大学、東京工業大学など複数の大学と共同開発契約を締結しています。2010年には電波吸収塗料の開発にも成功。海外お財布携帯向け電波吸収シートも販売するなど、「電波吸収体」のエクスパート企業です。

株式会社 テイエスエス ジャパン

株式会社 テイエスエス ジャパンの簡易電波暗箱

初めての人でも簡単・スピーディーに組み立て・設置ができる、シンプルな構造の簡易電波暗箱です。サイズ(D×W×H)は0.5m×0.5m×0.5m~1m×1.2m×1mまで4種類。必要なときだけ設置できるため専用場所は不要です。シールド性能50dBのタイプのほか、2重シールドにより60dBを達成できるものもあります。

株式会社 テイエスエス ジャパンはどのような会社か

東京都町田市にある株式会社 テイエスエス ジャパンは、2006年に韓国TESCOM日本総代理店として創業。シールドテントや電波暗箱、電磁波設備などの製造・販売をしています。NTTや松下電器、ソニー、電力中央研究所、東京大学、警察庁など、さまざまな企業、研究所、大学、官公庁への納入実績もあります。

株式会社Wave Technology

株式会社Wave Technologyはどのような会社か

株式会社Wave Technologyは、簡易電波暗室のレンタルサービスを行う会社です。電波暗室が長期的に必要かが確定していない場合、この会社のサービスを利用して簡易電波暗室をレンタルしてみるのも良いのではないでしょうか。費用は11万円/日~と安価なので、手軽な利用が可能です。

大学での電波暗室事例を見てみる

電波暗室メーカーの選び方と
オススメ企業3選

電波暗室を導入するにあたって最初に考えるべきなのは、購入にするかレンタルにするかということ。電波暗室の施工には5,000万~10億円という規模の予算が必要となります。購入となった場合は、計測システムを持っているかどうかで選ぶべき企業が変わってくる点にも注意が必要です。

自社の状況別に3つの企業を紹介していますので、ぜひ参考になさってください。

電波暗室を初めて導入する/
計測システムから
刷新するなら

マイクロウェーブ
ファクトリー株式会社
マイクロウェーブ ファクトリー株式会社公式HP

引用元:マイクロウェーブ ファクトリー公式HP
(https://www.mwf.co.jp/)

電波暗室だけではなく、電波暗室に必須の"計測システム"もまとめて提供してくれる会社。

調整やコミュニケーションの手間が減少し、導入期間の短縮が期待できます。

公式HPで
電波暗室の
特徴を見る

マイクロウェーブ
ファクトリーの
特徴をもっと見る

今ある電波暗室を
増室したいなら

TDK株式会社
TDK株式会社公式HP

引用元:TDK公式HP
(https://www.tdk.com/ja/index.html)

電波暗室だけを増設したい会社におすすめ。

既存のメーカーの製品保守やメンテナンスにも対応をしており、施工実績も豊富なメーカー(※)です。

公式HPで
電波暗室の
特徴を見る

TDKの
特徴をもっと見る

購入するほどの
費用対効果を
見込めない
なら

テュフラインランド
ジャパン株式会社
テュフラインランドジャパン株式会社公式HP

引用元:テュフラインランドジャパン公式HP
(https://www.tuv.com/japan/jp/)

大規模な生産をしない場合や、予算確保が困難な場合はレンタルがおすすめ。

EMC試験だけでなく、アンテナ計測など多種多様な試験を行える体制を整えております。

公式HPで
電波暗室の
特徴を見る

テュフライン
ランドジャパンの
特徴をもっと見る

【選定条件】Google検索「電波暗室」で表示された上位22社を調査(2022年3月11日時点)。それぞれ以下の条件で選定。
・電波暗室を初めて導入するなら:唯一、グループ会社内で電波暗室と計測システムの両方を提供している企業
・今ある電波暗室を増室したいなら:既存の電波暗室の補修やメンテナンスに対応しており、なおかつ公式HPに掲載されている電波暗室の施工実績数が一番多い企業(累計1,200基)(2022年3月調査時点)
・購入するほどの費用帯効果を見込めないなら:電波暗室のレンタルを行っている企業の中で、唯一アンテナ計測、EMCの両方のレンタルが可能