電波暗室を備えた国内3ヵ所の拠点で各種情報通信機器・産業機器のEMC試験を行なうほか、電磁環境測定・測定器校正・海外認証取得などを行なう「株式会社トーキンEMCエンジニアリング」の事業内容を調査しましたので紹介します。
トーキンEMCエンジニアリングのEMC試験は、情報通信機器、家電製品、パワエレ設備、車載機器、医療機器など、幅広い分野のEMC試験に対応。移動が難しい大型機器・設備や環境ノイズについては、出張測定(オンサイト試験)にも対応しています。
トーキンEMCエンジニアリングは、ISO/IEC 17025の認定を受けている国内3ヵ所の計測センターで、国際規格・各国規格のEMC試験サービスを提供します。車載製品試験用電波暗室も整備されています。試験サービスには以下のものがあります。
各規格の測定方法に基づいて、依頼主が立ち会いをしたうえで、トーキンEMCエンジニアリングのエンジニアが試験を行ないます。
トーキンEMCエンジニアリングの試験所で、必要な設備一式は試験所にあるものを自由に使用し、依頼主が自分で試験を行ないます。
試験対象の機器を預け、依頼主は立ち会いをせず、トーキンEMCエンジニアリングのエンジニアが試験を行ないます。
試験所に搬入できない大型の機器や環境ノイズなどについて、トーキンEMCエンジニアリングのエンジニアが測定機器を現場に持ち込んで測定を行なうサービスです。大型の重機、ビルなどの建物、環境設備などのさまざまなケースに対応します。
JANA登録試験事業者であるトーキンEMCエンジニアリングが、FREA(産業技術総合研究所/福島再生可能エネルギー研究所)において測定を行なうものです。FREAではPCSや電気自動車充電装置、系統連系設備の評価のため3メガワットの電力を模擬した系統連携試験、環境試験、およびEMC試験を行なえます。EMC試験は、FREAに設置される世界最大級(※)の電波暗室を使用して、これまでは難しかった大電力超大型設備の完全な試験を実施できます。
以下の特徴を備えた筑波計測センターでは、車載電装品をふくめたさまざまな分野のEMC試験に広く対応しています。
出張測定や、試験所に持ち込めない大型機器・環境ノイズなどの測定も可能です。
VCCI登録、A2LA認定(FCC登録)、TÜV Rheinland提携、BSMI(台湾)認可、QUACERT(ベトナム)登録、JAB認定
以下の特徴を備えた川崎計測センターでは、情報通信機器・産業用機器などさまざまな機器のEMC試験を実施できます。
VCCI登録、A2LA認定(FCC登録)、TUV Rheinland提携、BSMI(台湾)認可、QUACERT(ベトナム)登録
以下の特徴を備えた川崎計測センターでは、車載用試験の一部をふくめ、さまざまな情報通信機器、産業用機器のEMC試験を実施できます。
VCCI登録、A2LA認定(FCC登録)、TÜV Rheinland提携、BSMI(台湾)認可、QUACERT(ベトナム)登録
トーキンEMCエンジニアリングはEMC試験以外に、以下のサービスを提供しています。
電磁環境やノイズの調査が必要な現場へエンジニアが出張し、測定を行ないます。
屋内外での電磁環境測定、建設機械、太陽光発電用パワコン、生産ライン、大型設備(半導体製造装置・高周波加熱装置・サーバー室など)などの測定が可能です。
夜間での測定、海外での測定にも対応します。
正確で狂いのない測定精度をつねに保つために必要な、計測機器の定期的な校正を行ないます。A2LAおよびJCSSよりISO/IEC17025校正試験所の認定を受けています。各種アンテナやEMIレシーバーなど、多様な測定器の認定校正が可能です。機器の大小を問わず対応でき、校正品の引き取りや出張校正にも対応しています。
電気製品や電子機器などに対する各国の安全認証や無線認証、その他証明書(RoHS、EMC、免除レターなど)の申請・取得をサポートします。海外での試験レポート取得代行や認定・認可サポートのコンサルテーション、認証トラブルサポートも行ないます。
電波暗室を導入するにあたって最初に考えるべきなのは、購入にするかレンタルにするかということ。電波暗室の施工には5,000万~10億円という規模の予算が必要となります。購入となった場合は、計測システムを持っているかどうかで選ぶべき企業が変わってくる点にも注意が必要です。
自社の状況別に3つの企業を紹介していますので、ぜひ参考になさってください。
電波暗室だけではなく、電波暗室に必須の"計測システム"もまとめて提供してくれる会社。
調整やコミュニケーションの手間が減少し、導入期間の短縮が期待できます。
電波暗室だけを増設したい会社におすすめ。
既存のメーカーの製品保守やメンテナンスにも対応をしており、施工実績も豊富なメーカー(※)です。
大規模な生産をしない場合や、予算確保が困難な場合はレンタルがおすすめ。
EMC試験だけでなく、アンテナ計測など多種多様な試験を行える体制を整えております。
【選定条件】Google検索「電波暗室」で表示された上位22社を調査(2022年3月11日時点)。それぞれ以下の条件で選定。
・電波暗室を初めて導入するなら:唯一、グループ会社内で電波暗室と計測システムの両方を提供している企業
・今ある電波暗室を増室したいなら:既存の電波暗室の補修やメンテナンスに対応しており、なおかつ公式HPに掲載されている電波暗室の施工実績数が一番多い企業(累計1,200基)(2022年3月調査時点)
・購入するほどの費用帯効果を見込めないなら:電波暗室のレンタルを行っている企業の中で、唯一アンテナ計測、EMCの両方のレンタルが可能