電波暗室を購入するか、それともレンタルするかを迷ってはいませんか?
電波暗室のレンタルは、購入する場合とくらべてメリット・デメリットがあります。購入かレンタルかを決める場合は、メリット・デメリットを慎重に考え合わせることが重要です。
この記事では、電波暗室のレンタル料金、レンタルのメリット・デメリットを紹介します。電波暗室のレンタルを検討している人はぜひ参考にしてみてください。
電波暗室のレンタル料金の相場を紹介します。
電波暗室は大きく分けて大型の「10m法暗室」と小型の「3m法暗室」の2種類あり、測定内容により選ぶ必要があります。
それぞれのレンタル料金の相場は以下のとおりです。
また、電波暗室には「簡易電波暗室」もあります。簡易電波暗室とは、EMI規格認証前の伝導ノイズ、放射ノイズの対策・検討のみを行なうもので、レンタル料金の相場は以下のとおりです。
時間のかかるノイズ対策を比較的安価な簡易電波暗室で行ない、その後のデータ取得を本格的な電波暗室で行なえば、費用の節約が可能です。
電波暗室をレンタルするメリットは、まず初期費用が安いことです。電波暗室を購入しようと思うと、電波暗室の購入費用のほかに、以下の費用が必要です。
以上はかなりの高額になるため、使用頻度がそれほど高くないのであれば、レンタルのほうが安くすみます。
電波暗室は、購入して終わりではありません。継続的に使用するためには、以下のメンテナンスが必要です。
レンタルなら、以上のメンテナンスのための費用も一切かかりません。
電波暗室を購入し、自社ビルなどに設置すれば、測定の際にはすぐに利用できます。一方電波暗室をレンタルする場合には、電波暗室まで出向かなければなりません。電波暗室がある場所が遠ければ、移動にはそれなりの労力がかかります。
FCCマークなどのEMCの認証を受けようとする場合、測定に使用する電波暗室などの設備は、認証機関へ登録されていなくてはなりません。電波暗室をレンタルする場合には、この登録を事前にいちいち確認しなくてはなりません。
以上のメリット・デメリットを鑑みて、どのような組織が電波暗室のレンタルに向いているといえるでしょうか?
まず考慮しなくてはならないのは、電波暗室の使用頻度です。電波暗室のレンタルは使用のたびに費用が発生するため、使用頻度が多い場合は、購入のほうが安くなるケースもあります。使用頻度がそれほど多くなければレンタルで十分といえるでしょう。
次に、電波暗室のレンタルが近場にあるかどうかも重要です。電波暗室のレンタル場所まで行くのに長時間がかかるなら、その労力を考えれば購入するほうが経済的なケースもあるでしょう。レンタル場所がすぐ行ける比較的近場にあれば、レンタルのほうが経済的になることもありえます。
電波暗室のレンタルは便利ですが、別の方法として、電波吸収体をバラで購入して簡易的な電波無響環境を作る方法もあります。電波吸収体には様々な種類があり、希望に合わせて材料・形状などを工夫することが可能です。レンタルと異なり、その都度費用をかけずに、使用したい時にすぐ利用することができます。
なおこのサイトでは、電波吸収体についての情報をまとめて紹介しています。電波吸収体の詳細解説や、メーカー情報、知っておきたい基礎知識について解説していますので、参考になるでしょう。用途別におすすめの電波吸収体メーカーについても製品例とともに紹介しています。電波吸収体をバラで購入したい方は、ぜひチェックしてみてください。
電波暗室を導入するにあたって最初に考えるべきなのは、購入にするかレンタルにするかということ。電波暗室の施工には5,000万~10億円という規模の予算が必要となります。購入となった場合は、計測システムを持っているかどうかで選ぶべき企業が変わってくる点にも注意が必要です。
自社の状況別に3つの企業を紹介していますので、ぜひ参考になさってください。
電波暗室だけではなく、電波暗室に必須の"計測システム"もまとめて提供してくれる会社。
調整やコミュニケーションの手間が減少し、導入期間の短縮が期待できます。
電波暗室だけを増設したい会社におすすめ。
既存のメーカーの製品保守やメンテナンスにも対応をしており、施工実績も豊富なメーカー(※)です。
大規模な生産をしない場合や、予算確保が困難な場合はレンタルがおすすめ。
EMC試験だけでなく、アンテナ計測など多種多様な試験を行える体制を整えております。
【選定条件】Google検索「電波暗室」で表示された上位22社を調査(2022年3月11日時点)。それぞれ以下の条件で選定。
・電波暗室を初めて導入するなら:唯一、グループ会社内で電波暗室と計測システムの両方を提供している企業
・今ある電波暗室を増室したいなら:既存の電波暗室の補修やメンテナンスに対応しており、なおかつ公式HPに掲載されている電波暗室の施工実績数が一番多い企業(累計1,200基)(2022年3月調査時点)
・購入するほどの費用帯効果を見込めないなら:電波暗室のレンタルを行っている企業の中で、唯一アンテナ計測、EMCの両方のレンタルが可能